2012年12月10日月曜日

PDCAサイクルにおけるチェックの2つの意味(2/2)

PDCAについて前回の続き。
前回はこちら


 1つ目のチェック 
1つ目は、Planに対して行ったDoを実行出来たかどうかのチェックを行います。

例えば「1ヶ月後のTOEICで730点をとる」という目的を考えてみます。
Planは「1か月後までに60時間以上の勉強を行う」ものだとします。
このPlanだと、平日が20日、土日が10日として、平日に1時間、土日に4時間の勉強をすれば良さそうです。
Doは「毎日決まった時間(平日なら1時間、土日なら4時間)、英語の勉強をする」ことになります。

この場合のチェックは勉強した時間で行えそうです。
平日に2時間勉強できた → 達成
平日に30分しか勉強出来なかった → 未達
土日に4時間勉強できた → 達成

 2つ目のチェック 
2つ目は、目的に対するPlan、Doが適切かどうかのチェックを行います。

上述の「1ヶ月後のTOEICで730点をとる」という目的で考えてみます。
Planは「1か月後までに60時間以上の勉強を行う」です。
本当に1ヶ月後までに60時間以上の勉強を行ったらTOEICの点は730点になるのでしょうか?
勉強の効率性は無視して良いのでしょうか?

では効率性を考慮して「1ヶ月後までに60時間以上、効率的な勉強を行う」とするか。
今度は「効率的な勉強」を客観的に定義出来ませんので、チェックできなくなってしまいます。

またPlan「1か月後までに60時間以上の勉強を行う」ですが、Do「毎日決まった時間(平日なら1時間、土日なら4時間)、英語の勉強をする」で良いのでしょうか?
平日1時間×4日間で上がる成果と、土日4時間で上がる成果は果たして本当に等しいのでしょうか?
ひょっとすると1時間×60回と4時間×15回では成果が異なるかもしれません。
本当に60時間の学習を平日1時間、土日4時間と分割することが正しいのでしょうか?

時間というのは非常に管理しやすい項目ですが、対目的(成果)という側面では非常に扱いづらいものです。
百万時間学習しようと東大に合格するわけではないですからね。

 どうすべきか ー 例えばの案 
先のTOEICについて、疑問を提示したままでは良くないので一応の案を考えてみます。
こうしてみたらどうでしょうか?

目的「1ヶ月後のTOEICで730点をとる」
Plan「TOEICのテキスト(20章)を2週する」
Do「平日は1日あたり2章、土日は平日にやった分(10章)を復習する」
Check1:1日あたりの学習量が明確であり、チェックはしやすいと思います。
Check2:1週すればTOEICで730点がとれる、というテキストを2週しているのですから、目的に対するPlanは適切と考えて良いでしょう。
 また、20章に対して2週間で終える計算ですから、2週実行できる計画が立てられています。

※テキストの量など適当ですので、平日の学習時間が増えてしまっているかもしれませんが、そのあたりは仮の設定ですので無視していただければと思います。

というわけで、計画の実行ではチェックが重要ですよ、というお話でした。

それでは。

2012年12月7日金曜日

PDCAサイクルにおけるチェックの2つの意味(1/2)

前回はミッションステートメントの策定についてお話しましたが、今回はそれをいかに遂行するか、という話。

 PDCAとは 
Plan Do Check Action の頭文字をとったもの。
Wikipedia:PDCAサイクルによると「事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ」と書かれています。
計画を立て(Plan)、計画を実行し(Do)、実行結果が計画に沿っているか確認し(Check)、計画に必要な修正を行う(Action)の4ステップです。

計画はあくまで事前に立てた計画ですから、実行結果が計画に沿っているか確認することは極めて重要です。
ただCheckという言葉が曖昧だと私は思います。

 チェックの重要性 
チェックは、活動の確認という非常に重要な位置づけを占めています。
しかし正しく行うことが非常に難しい項目だと私は思います。
理由は明確で、チェックは定量的に図る必要があるからです。

例えば美味しい料理をつくろう、というトレーニングに対して「料理をつくった回数」を確認することは出来ますが、「おいしい料理をつくれた回数」を確認することは主観的にしか確認できません。
おいしいというのは主観的な感情のため、ともすれば「私にとってはおいしい料理だがAさんにとってはおいしくない料理」と「私にとってはおいしくない料理だがAさんにとってはおいしい料理」という2つをどちらも「おいしい料理」と評価してしまう可能性があります。

こういう場合は、単純に料理をつくった回数をチェックの対象とするか「Aさんがおいしいと感じる料理をつくった回数」をチェック対象とするかが挙げられます。

 PDCAにおけるチェックの2つの意味 
チェックにはもう一つの難点があると私は考えています。
PDCAのチェックという言葉が2つの意味を持ってしまっていることです。

1つは正しく実行出来ているかのチェック。
もう1つは計画・実行が正しく目的に向かっているかのチェック。

ちょっと長くなったので分割します。
続きは次回。

それでは。

2012年12月5日水曜日

ミッションステートメントの策定方法

前回はミッションステートメントについて書きましたが、今回は策定方法について書きます。
今回のミッションステートメントの説明については7つの習慣で書かれている内容と相違がありますが、策定・定着させやすくする目的でわかりやすく書いているため、とご理解ください。

 ミッションステートメントについての説明 
※必要性については前回書かせていただいたので省略します。

ミッションステートメントには価値観と目標の2種類があります
この2つが混同されるため、ミッションステートメントはうまく運用されていないのです。

 価値観は今すぐ行動出来ること 
価値観とは、信念のことです。
信念を定め、それに従って生きることで自己実現を果たすものです。
具体的には「妻の夫として、誠実に接し、常にお互い助け合い・高め合い、妻が困った時には悩みを聞き、私が困った時には真っ先に相談するよう務める。」とかこういうものです(30秒で書いたのですごく適当ですが)。
価値観はいつでも行動に移せるもので、反省し、次の行動に活かしていけるものです。
※上述のミッションステートメントが策定されていれば、毎日見なおして夫として理想の行動がとれていたか反省できますよね?

 目標は計画があり期間があること 
目標はいついつまでにどうこう実現するというものです。
具体的には「20年後には部長になる」とか「3年以内に5,000万円の受注を獲得する」とか「1年以内にTOEICで730点をとる」というようなものです。
目標は信念とは違って今すぐ行動に移せるものではなく、計画を練って1つずつステップを駆け上がって到達出来るものです。
また必ず期間を決める必要があります。※いつか出来れば良い、というものは実現できませんから。
計画があり期間がある、それが目標の特徴です。


この2種類がミッションステートメントの中身になります。
うまく定めて運用して、良い生活を送りたいですね。
続きはまた今度。

それでは。


2012年12月2日日曜日

ミッションステートメント

書籍「7つの習慣」の中で、ミッションステートメントを持つべき、という話が出てきます。
ミッション・ステートメントとは価値観を具体的に記述したもので、この価値観に従って行動していくことで自己実現を行えるというものです。
まぁこれだけ聞くと胡散臭いこと極まりないのですが、「高い目標を具体的にイメージしよう」といった話はよく聞く内容なので、それに近いものと思っていただければ。

 ミッションステートメントを事業にする 
事業の一つとして、ミッションステートメントの策定・継続を支援出来ないかと思っています。
7つの習慣の中では「長く時間をとって海岸に行って一人で『自分の人生にとって何が大事か』考えろ」と書かれています。
また、それを一人で実行するのも難しいのか、公式にセミナーも開催されています。
3日間で126,000円しますが、友人は受講した経験があり、効果は高かったと言っています。
でも誰もがそんなにコスト(海岸に行く労力・セミナーを受講する費用)を払って高い成果を欲しいわけではないでしょう。
そこで幾ばくかの費用でもってミッションステートメントの策定・PDCAを回す支援ができないかと考えています。

 セミナーや書籍との関係 
私はセミナーや書籍は味方だと考えています。
安価な費用で目標設定・定着をさせ、興味が出た方は書籍を読んだりセミナーを受講したり、フランクリン・プランナーを使っていただければ良い、と思っているためです。
価値観や目標の策定・継続というのは、誰しもがたった一つの手法だけで同じように実現出来るものではありません。
ですからセミナーや書籍は味方であると考えますし、パートナーシップが組めるのであれば積極的に構築していきたいと思っています。

そういう夢物語も考えつつ、まずはパートナーシップを組むことが彼らにとって価値の高いものになるよう、私たちの価値を高めなければなりませんね。

具体的に話し合っていることについてはまた次に。

それでは。

2012年11月26日月曜日

チームとグループ

PM養成マガジンというメルマガを購読しています。
PMはプロジェクトマネジメントの略で、ITや装置業、ビジネス・プロセス改革等で行われるプロジェクトを(計画通り遂行すれば成功するはずなので)いかに失敗少なく実行するかということの情報・ノウハウを公開しているメルマガです。

個人的にはSIの事業会社に所属しているので、受託開発におけるプロジェクトマネジメントがいかに重要かというのを理解しているつもりです。
実際にうまくやれないプロジェクトマネージャーのおかげで苦労したり、お客様にご迷惑をおかけしたりしましたし。
PMマガジンではSIも対象としていますが、上述の通り装置業やビジネスプロセス改革も対象としているので視点や視座が高く非常に参考になります。

何週間かに一度バッチで読んでいるので、少し古い記事になりますが、チームとグループの違いについて言及した回がありました。

 チームとグループの違い 
PM養成マガジンの中ではこう言及されていました。
 チームとは1+1が2以上になるもの、グループとは1+1が2以下になるもの

1人1人が個人活動をしていれば、コミュニケーションコストがかかりますから必ずグループにしかなれません。
チームになるためには1人1人がお互いの欠けている部分を埋めるようにしてより高い成果を目指す必要があります。

確かに、集まった人員が人数以下の働きしか出来ないことは、ままあります。
私も今まさに個人的に行なっている活動でも、残念ながらそうなってしまっています。

 グループを超えてチームになるには 
PM養成マガジンでは以下の5点を示唆しています。
 ・明確なゴールとアプローチの共有
 ・主体性のある行動をする
 ・他のメンバー全員への目配り
 ・他のメンバーのやっていることが正しいと考えられる信頼関係
 ・必要なことを洞察する

私も同感です。
加えてリーダーを設定することだと考えます。
権限が明示されて無く、誰の意見に従えば良いかをその場の雰囲気や流れで判断することは効率的ではないですし、1+1は2以上になるようには思えません。

プロジェクトマネジメントとリーダーシップは近しい考えになるのではないかと推察しています。
何としても良いチームをつくっていきたいですね。

それでは。

2012年11月21日水曜日

仮想OSとWordpressで行き当たりばったり

ごぶさたしております。
活動はしていますが、プライベートが忙しくなってほったらかしていました(完全に言い訳)

先日書いた日記ツールをつくろうとWordpressをローカルに立ちあげてみました。
仮想PC環境とLinuxがあればテスト環境は立ち上がると思っていたので、なんとなくVMwarePlayerとUbuntuServerを選定して立ちあげました。

これが失敗。

今再インストールをやっているのですが、まず仮想PC環境について。
VMwarePlayerはどうやら商用利用はNGで、その場合はVMware Fusion Professionalという製品を購入するとオプションとして商用利用可能なVMware Playerがついてくるようです。
そしてそのVMware Fusion Professionalの価格は99$もするとのこと。
今後のリスク回避も考えて無償のOracleが提供しているVirtualBoxにすることに。
こちらは商用利用可(USBのライセンスが微妙なようですが、私は調べるのがめんどうだったのでインストールせず)。

次にOSについて。
昔使ったことがあったのはCentOSだったのですが、最近Ubuntuのことよく聞くようになったなぁくらいの理由でUbuntuで立ちあげました。
んで失敗。
UbuntuはDebian系らしく、RedHat系とは若干ファイルの配置や設定が異なります。
いろんなところで苦労しました。
しかも、(実態はともかく)Ubuntuはデスクトップ利用に強いOSなのでサーバならCentOSじゃね?という文献をいくつか発見。
ここで心が折れました^^;

一応.htaccessまで変更してWordpressを起動させるところまではやり遂げましたが、今はCentOSの勉強をやり直す意味も含めて再セットアップしています。

とりあえず今日のところはVirtualBoxのインストール~CentOSのインストール~Apache, PHP, MYSQLのインストールまで。

 苦労したこと 
・CentOS6はデフォルトでeth0がオフになっているのでオンにする必要がある
 1:/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 の ONBOOTを"yes"にする  2:IPv6を切る   1. /etc/sysconfig/networkに NETWORKING_IPV6=no を追加。   2. /etc/modprobe.d/disable-ipv6.confファイルを作成して options ipv6 disable=1 を書く。   3. chkconfig ip6tables off を実行。


毎週火曜日がWordpressの日なので、来週はWordpressをインストールする予定です。

第二領域の話はだいぶ進んできたのでまた改めて。
それでは。

2012年10月19日金曜日

対価を支払う人とサービスの対象者は同じにするべき

製品・サービスは対価を支払う人に向けて作るべき、と言われます。

 クラウドワークスの事例 

例えば先日クラウドワークスの吉田さんのお話を伺った際にこう仰っていました。
「クラウドワークスはフリーのエンジニアと企業をつなぐシステム。フリーのエンジニアのためのシステムを作りたかったので、対価はエンジニア側からもらうようにしている」※意訳です

この発想はすごくおもしろい。
よく出回っている「人と企業をつなぐシステム」は企業から対価をもらうように出来ている。
そのために人側の分析を出来るようにし、必要な情報を提供する。
人のためになっていることをやっているように見せて、実は人を集めるために人のためになることをやっているに過ぎない。
最終的には企業にお金を払ってもらうことが目的だから。

クラウドワークスはそこを逆転していて、エンジニアが高く評価されるためのシステムを目指している。
それを追求するためにエンジニア側から対価をもらうようにしている。

これを聞いて、彼らはすごく難しいビジネスをしようとしていると感じました。
企業はお金をもっていて、そのお金を1%分けてもらうだけでもすごい金額になる(売上高になる)。
リクルートエージェントやインテリジェンスなんかはこちらのモデルを採用しています。
おそらく成功報酬で転職者の年収の数十パーセントを追加で受け取るのではないかと思います。

逆に個人はお金を持っていない。
十分な対価を請求するのは難しい。

クラウドワークスの今後が気になります。
(そのうち使わせていただくでしょうし)

 対価をもらう相手とサービス設計 
私たちが作ろうとしているのはライフハックツールです。
と言っても今出来ることをもっと簡単にやれるようにするのではなく、今出来ないことを実現出来るようにするのが目的です。

この前話し合った中で出てきた意見として「ツールの価値は必ず個人に帰属するものにしたい」というものがありました。
あくまで「その個人が使いたいから使う」というのが方針ということです。

一つの考え方として、会社として使わせるモデルもあると思います。
「うちの会社はこれで業務してるからこれ使ってねー」というものです。
その場合は企業が費用を払うモデルになります。
一括して大量のユーザーを確保出来るビジネスモデルになりますが、顧客である企業のニーズに応える必要があります。
我々が目指すものとは違います。

我々が目指すものは「個人が使いたいから使い、使ったからには成果が上がり、その成果に対して費用を個人が払う」ものです。
つくるサービスもその対価を支払う個人のために特化していきます。

 ふと思ったこと 
つくるサービスがその対価を支払う個人のためにつくられていく、ということは地上波のテレビ番組はスポンサーのためにつくられていくということになります。
地上波はスポンサー様のためにつくられていて、スポンサー様にとって不都合なことは放送されないのは当然かもしれませんね。
視聴者が「自分たちの本当に見たい番組をつくって欲しい」と願うなら有償のCSあたりを契約する必要がありそうです。

それでは。

2012年10月18日木曜日

Web日記を再定義するサービス

先日mixiの、特に日記について記事を書きました。
 →mixiはこうして死んでいく

日記をWeb上でつけるサービスというは、自己の目的と行動の振り返りにも使えるのではないかと思いググってみました。

7つの習慣における振り返り

7つの習慣では「第二領域に注力すべし」と言われています。
第二領域とは「緊急でないが重要なこと」です。
この第二領域には、健康に関することであったり、自己研鑽が入ってきます。
(健康をないがしろにすれば短期的に成果は出ますが、長期的には不幸になります。自己研鑚をしなければ短期的には気楽に過ごせるかもしれませんが、場当たり的な経験による成長しか望めません)

個人個人によってもっといろんなものが「緊急でないが重要なこと」になってくると思います。
パートナーとの関係であったり、友情であったり、信仰や儀式であるかもしれません。

第二領域に注力し続けるには、自分にとって何が『緊急でないが重要なこと』なのか常に意識する必要があります。
7つの習慣をベースにしているフランクリンプランナーでは、見開きページの左側に「自分にとって緊急でないが重要なこと」のリストが来るようになっています(ちゃんと見たことないですが多分。。。)。
毎日の予定とともに常に第二領域の項目をチェックをすることで意識させる仕組みになっているのだと思います。

私はこれを、日記をつけることによって常に意識出来るようになるのではないかと思いました。

Web日記の再定義

「Webで日記」と聞くとついBlogを想像してしまいますが、私がイメージしているのは日記帳です。
本来、日記帳とは誰にも見せずに自分だけが見るように、自分だけのためにつけるものでした。
それがなぜかWeb日記になると途端に「全世界に公開するもの」になってしまっています。
これを「誰にも見せずに自分だけが見るように」戻したいと思っています。
ただし、紙でなくシステムで日記をつけることの価値(検索性、表示の自由度など)は残したまま。

先行事例:OhLife

海外のサイトだけれどOhLifeというWebサービスがあって、これがなかなか優れているらしい。
毎日リマインドメールが来て更新を継続しやすい仕組みになっているとか、自分にしか見られないとか、オシャレなデザインとか、魅力的なサービスです。
気になる点は3つ
1:使い方が決まっていない
 日記にしても良いし、振り返りにしても良い。
 Webサービス側で「こんな使い方が良いよ!」というのは特にアドバイスされていないようです。
 こちらのサイトでは振り返りに使えるしてオススメされています
 →もれなく振り返り(レビュー)が出来るオンライン非公開日記 OhLife @子供と一緒に大きくなろう

2:タグ付け(カテゴリ)機能
 例えば、あるWebサービスをリリースした日に書いた日記を読み返したいと思った時「あれ?あのサービスリリースしたのっていつだっけ?」と思うことがあります。
 日記を日付以外の形で、ある程度のグループ化出来ることは価値が高いと思います(タグやカテゴリではないかもしれないが)。

3:テンプレートが用意されていない
 毎日更新しやすくなる方法として「テンプレートを用意してそれを埋めるだけにする」という工夫があると思います。
 この機能が無いのでテンプレートは毎日メールで手打ち(またはコピペ)する必要があります。


日記サービスをつくるならOhLifeに勝てるものをつくらないといけないですね。
試しに使ってみようと思います。

それでは。

2012年10月17日水曜日

ガンスリンガーストラトス分析

昨日書いた通り、ガンスリンガーストラトスを友人とプレイし分析してみました。
リリースは7月末と比較的新しいゲームなのですが、若干廃れ気味なのでこの資料がどこかでスクウェア・エニックスの方の目についてサービスが改善されたらとても嬉しいです。

さて、内容はSlideShareにアップロードしました。
 →ガンスリンガーストラトス分析

 つまづきそうだと思った箇所 
ゲームをプレイしてみて、つまづきそうだと思った箇所は2箇所
 1:初回プレイをするきっかけがない
 2:上達するまでに辞めてしまいそう

両手にガンコントローラという今まで無いデバイスなので正直とっつきにくいです。
デモ画面を見て絵やアクションが良くておもしろそうだと思っても「すごく難しそう」という感情が先行して実際にお金を投入するのに抵抗があります。

チュートリアルとCPU対戦が少ないので、すぐに全国対戦だけをプレイするゲームになってしまいます。
全国対戦=対人戦なので、私のように下手な人は負けてばっかりです。
負けるとおもしろくないので辞めてしまいます。
上達するための方法もWikiに書いてある仕様やYoutubeでうまい人の動画を見て自分で真似てみるしかなく、非常に時間的にコストがかかります。
プレイも2対戦(10分くらい)で200円となかなか高いです。
練習する暇もなく本番をやるような状況です。
ここで上達を実感できずやめてしまうケースがとても多そうです。

 値引きがうまくいかない理由 
プレイ料金の値下げは初回プレイを誘引出来そうですが、このゲームが抱えている問題はそこではなく初心者がすぐにやめてしまう点だと思っています(上に挙げた理由のうち後者)。
初回プレイをして気に入ってもらっても、その後の不親切さにやめてしまいます。
コストがかかっていそうなゲームのため、かなりのディープゲーマーを生み出さないとコストをペイ出来ないと推測していますので、最終的にはディープゲーマーが列をつくってくれる状況を創りだす必要があります。

初心者を流入させるよりも、まずは今の初心者をさっさと中級者に引き上げる施策を打つべきと思います。
そしてその成長方法(キャラクターごとの戦い方、コンボ、勝ちパターン等)を確立してWikiやYoutubeを整備し、それから初心者を増やすのが望ましい手順ではないでしょうか。

 その他思ったこと 
本当はストーリーを虚淵玄さんがつくっていたりと、売り込みたいポイントはすごく多いのですが、そこを広げるタイミングにはまだ届いていないと思います。
もう少し時間がたってから勢力争いイベントを行なっても良かったように思います。

さて、次は何のゲームをやろう。

それでは。

2012年10月16日火曜日

ゲームを分析する

一般的に言われるゲーミフィケーションとはちょっと違うのですが、毎回ゲームを決めてそのゲームを分析しようという試みをしています。
第一回はガンスリンガーストラトスです。

分析の内容はまだまとめ終わっていないので明日書きます。

今日はなぜこういうことをするかを書きます。
これから作ろうとしている事業はWebサービスであり、目的があり利用にあたってのプロセスがあります。
プロセスを分解するとこんな感じになります。
1.知ってもらう 2.サイトを見てもらう 3.登録してもらう 4.利用してもらう 5.頻度高く活用してもらう
フリーミアムの考え方からすれば、5の段階で収益が発生することになります。
そして4と5の間には、使いやすさ、慣れ、親しみやすさ等の問題が多く立ちはだかっています。
これらの問題を解決出来る方法をゲームの中から見つけ出せないかと思っています。

次に今回なぜアーケードゲームを選んだか、ということについて説明します。

アーケードゲームは大抵が、1プレイ100~200円でプレイでき(時おりカードを買う必要があり300~400円必要になる)、コンシューマゲームよりもゲームを始める敷居が低いと考えられます。
一回のプレイ料金が100~200円と安いため、継続して繰り返しプレイすることで収益につなげるビジネスモデルだと予想できます。
おそらくアーケードゲームは「最初の敵は弱く簡単に勝て、かつチュートリアルが充実していて、継続してプレイするに値するゲームが多いのではないか」と仮説をたてました。
はじめる際の費用が無料ではないですが、このビジネスの形がフリーミアムなWebサービスに似ていると思い、参考にするためプレイをしています。

明日はガンスリンガーストラトスの分析を書きます。
ちなみに先ほど公式サイトを見たところ、プレイ料金値下げの施策が打たれていました。
私としては、この施策は全く間違っていると思います。
その理由は分析内容とともに明日書きます。

それでは。

2012年10月13日土曜日

掃除を楽に行う

今日は趣向を変えて家庭の話を。
(今日はあんまり仕事が進まなかったので書けることがなかったのですw)

みなさん掃除してますか?
今私は終日自宅にいる生活をしています。
毎日仕事にプライベートに、長い時間を過ごす場所なのでよく掃除をしています。

毎日掃除をする床やシンクは良いとして、あまり掃除をしない場所は汚れがちですね。
そういった場所の掃除について考えた・調べたことを書こうと思います。

換気扇

換気扇の掃除は非常にめんどうですよね。
めんどうだからダスキンなんかに依頼する人も多いようです。
でも換気扇の掃除にはネット上に転がる格言がありまして、それは
「ダスキンに依頼するより買い換えた方が安い」というものです。

ダスキンに依頼するとレンジフードタイプというもので17,800円です。
参考:ダスキンさん

簡易な通常の換気扇(部屋の壁についているタイプ)では格言通り交換した方が安いようです(換気扇は5,000円~20,000円くらいのようです)。

うちはレンジフードタイプなのですが、昨年引っ越してから内部は一回も掃除していません。。。
一応フィルターみたいのをつけて油が直接入り込むことは防いでいますが、掃除しなくて良くなるほどの効果はきっと無いでしょう。
となると掃除をしなきゃならないので分解手順を調べてみました。

検索結果

分解手順が決まっているわけではなさそうですし、洗浄方法についても企業秘密だからかはっきり書いてあるものは少なかったです。
調べる手間も含めてものすごーくめんどそうでしたので、ここは一旦業者に頼んでみることにします。
そしてその現場を見学させていただき、次からは自分でやろうと思います。

※いろんな機器を分解して戻せなくなった経験から、メカ系の複雑なものは分解しないように気をつけています。

ちなみに、自分で掃除する場合は重めの汚れなら業務用の洗剤、軽めなら天然系の重曹やクエン酸、化学系の食器用洗剤が効くようです。
このあたりが参考になりそうです。→換気扇の掃除方法教えろ。 酷い汚れはマジックリンじゃ歯が立たねえ……。


グラス

ふとグラスを見てみたら白っぽくなっていました。
これはウォータースポットと呼ばれる汚れらしいです。
水の中に含まれるミネラル成分が白く固まったものなので、きっと汚い汚れではないのでしょう。

対策は「ちゃんと洗って、早めに拭く」のが一番らしいです。
うちのは既に白くなってしまっているのですが、もうついちゃったのはどうしたらいいのだろう。。。
と思っていたらこんな文章を発見。
「飲食店など業務用の場合は定期的に漂白している」

ということで「ウォータースポット 漂白剤」で検索。
すると出てきたのはキッチンハイター!
どうやら食器のウォータースポットを気にする人はあまり多くなく、ウォータースポットを気にしているのは自動車(洗車)関連が多い模様です。
確かに自動車のガラス汚れってとても気になりますもんね。

というわけでこれは明日にでもやってみようかと。


明日はちゃんと仕事ネタで更新します。

それでは。

2012年10月12日金曜日

リーンスタートアップは起業家を幸せにするか

リーンスタートアップがWebサービス、モバイル・アプリケーション界隈で人気ですね。

背景にあるのは書籍「アジャイルサムライ」、「フリー」を始めとするスタートアップ関連情報を得やすくなったことだと思います。

 

リーンスタートアップに関しては米シリコンバレー発祥ということもあり、日本語の情報がやや少ない(というか書籍のレビューや実体験のみに偏っている)印象があります。
英語が読める方にとってはネット上でもたくさんの情報があるのですが、わざわざ英語を勉強するのも大変ですよね。

そこで見ておきたいサイトがLean Startup Japanです。
リーンスタートアップに関する体系だった情報が日本語で得られます。

最新の記事ではリーンスタートアップを実践しない14の理由が語られています。
当然Lean Startup Japanさんはリーンスタートアップを実践すべき、という主張をしています。
果たしてリーンスタートアップは起業家を幸せにするのでしょうか。

ところでリーンスタートアップって何?

リーンスタートアップについてものすごくざっくり説明するとこんな感じです。
「模型やデモ動作を開発&ユーザーレビューし、ユーザーの声を反映させることで質を高めていく」

私はリーンスタートアップの本質は「事業成功の精度を高められること」だと考えています。
言い方を変えると、リーンスタートアップは偶然でなく必然的に事業を成功させるアプローチだと考えています。

例えばこんな事例。
「自分のこだわりを反映した製品を開発し、リリースしてみたら評判が良かった」
自分の感覚とユーザーの感覚が偶然一致していたのでしょう。
その感性は素晴らしいことだと思いますがあくまで偶然です。

リーンスタートアップを採用することによってこのように変わります。
自分のこだわりを反映した製品のプロトタイプを開発し、それが思ったとおりに使われるかをユーザーの利用状況を見て確認、その利用状況をふまえて完成品を作成する。

リーンスタートアップを利用した方が精度が上がっているでしょう?

リーンスタートアップが使えない業態

私は以下の状況(または感性)ではリーンスタートアップが使えないと考えます。
1. 自分の事業のポイントが自分でつかめていない
2. ユーザーがその事業のポイントを理解出来ない

1. 自分の事業のポイントが自分でつかめていない

例えばあるWebサービスについて考えてみます。
Webサービスの提供価値を構成する要素が、機能と見た目と操作性の3つだったとします。
開発しようと思っているWebサービスの強みが機能にあるなら、見た目と操作性はいったん横において機能をアピール出来るプロトタイプを用意し、ユーザーに意見を仰ぎます。
しかし、見た目や操作性が劣っていると強みである機能を使えないことがあります。
こういった場合には事業のポイントは見た目や操作性で、プロトタイプで評価すべきは
機能ではないのです。

逆にポイントが理解出来ていなければ、どこを抽出してプロトタイプを開発すべきかがわからず、ウォーターフォールモデルで開発するしかなくなります。
これではリーンスタートアップとは言えません。


2. ユーザーがその事業のポイントを理解出来ない

次はユーザーが抱える課題です。

リーンスタートアップでは、ユーザーはサービスのプロトタイプを見て、このサービスをもっと活用するにはどうしたら良いかを考えレビューを行います。
もしもそのレビューが的外れだったとしたらあなたは適切な開発を行えますか?

ケースとしてはこんなものがあります。
・サービスの新規性が高すぎて利用イメージが思いつかない場合
 ※商品開発しようなんて人はだいたい頭が良いので複雑なことを理解出来ますが、ユーザーはそうではありません
・開発している商品が食品等で、ポイントが味覚などのイメージしにくいもの。


最後はあまり具体的になりませんでしたが、やや問題は抱えますが総論としてはリーンスタートアップは優れた手法だと思いますし、起業家は出来る限り採用すべきものと思います。
私たちのサービスは全てこのリーンスタートアップで実現しようと考えています。

それでは。


2012年10月11日木曜日

mixiはこうして死んでいく

mixiが『「ユーザーファーストなmixi」を目指して』と題するメッセージを発信しました。
私は「これでmixiは死んでいく」と思いました。
と言ってばかりいてもよくないので、批判を交えつつ今後mixiがどうあるべきかを書いてみました。

商品開発における顧客の考え方

商品開発における顧客重視の考え方、は確かにあります。
「顧客の声を聞け」
「答えは顧客が持っているのだからもっとヒアリングの機会を設けろ」
「VOC(Voice Of Customer)を活用しろ」
様々な言われ方をします。
ただし、これが適用出来る業界とシチュエーションは限られる、と私は考えています。

適用出来る業界

適用出来る業界は以下の2つの特徴を持つ業界です。
1:事業モデルが受注生産型である
 ex.)システムインテグレーター、注文住宅
 →個別の事情を解決することで対価が必ずもらえる
  また、その解決策の実行が他のお客様に損害を与えない

2:お客様が知識を持たなくても使える商材を扱っている
 ex.)掃除用具、調理器具、生活雑貨、
 →その業務を真に知っているのはお客様で、その不満を解決することが他のお客様の利便性にもつながる

mixiはなぜユーザーファーストがマッチしないか

mixiの事業が提供しているものの価値とその扱い方について利用者が知らないからです。
mixiはソーシャルネットワーキングサイトで、提供しているものはコミュニケーションです。
mixiの利用者が持っているのは「特定の(自分の)コミュニケーションをどうしたいか」であり、「コミュニケーションをどうすべきか」ではありません。


ユーザーファーストの陥りがちな罠

ユーザーファースト(顧客第一主義)が陥りがちなのは「顧客の声を聞けば良い商品がつくれる」と思い込んでしまうことです。
顧客の声を聞いて良い商品が開発出来るのなら、みんなが顧客の声を聞くはずですし、同じ声を聞いて同じ商品が開発されるはずです。
そうならないということは、顧客の声だけでは良い商品はつくれないということです。

もし仮に顧客の声で良い商品がつくれるのだとして、なぜ「他社よりも自社の方がよりよく顧客の声が聞けること」に自信が持てるのでしょうか。
他社と同様に顧客の声は上手に聞けないことを前提に戦略を立てる方がうまくいきそうな気がします。

あるべき製品開発の姿

あるべき製品開発の姿は以下の通りです。
 1. 実現したい価値を固める
 2. その価値を実現出来る商品を企画・開発する
 2.5. その価値に共感する人々が集まってくる
 3. 顧客(価値に共感する人々)の意見を反映し、ブラッシュアップを図る

製品開発はあくまで目指す価値(mixiの目指すコミュニケーションの実現)に主眼を置くべきものであり、ユーザーファーストは3で扱うべき項目です。

mixiが言うユーザーファーストが市場全体(SNSを利用する人々全て)を指すのなら「日本人が期待するコミュニケーションプラットフォームの実現」という価値を引き出せそうなのでまだ良いですが、プレスリリースを読む限りは「ユーザーとは今現在mixiを利用している人」と読めるので極めて危険です。
mixiは現在顧客が減少している状態であり、こういった状況ではその中身にネガティブな理由で使っている人が多くいる可能性が高いためです。
ポジティブな理由でmixiを使っている人は、mixiへの期待感があり、そうしたユーザーの声を今後のサービスに反映していくことは非常に重要だと思います。
ネガティブな理由で残っている人は、隙あらば他に移動したいが他に行くところが無いからmixiを続けている人であり、こうした人の希望を叶えても新規ユーザーの流入にはつながりません。

mixiが目指すべき方向性

では、mixiはどっちへいったらいいのという話をします。

まずはユーザーのつながりを重要視すべきではないでしょうか。
私もほとんどFacebookに移行し、mixiはアカウントのみ残してたまに閲覧するくらいの状態ですが、mixiでしかつながっていない友人も多いですし、mixiでのみ更新をする友人も多くいます。
このユーザーという資産を活用することをまず目指すべきでないでしょうか。

では、どの手段で活用すべきかと言うと日記とコメントだと思います。
mixiは日本のSNSです。
FacebookやTwitterが普及してきた中でも、従来のweb文化(BBSから始まり、テキストサイト→ブログと進化してきた文化)を一番引き継いでいるのはmixiだと私は思います。
2007年の調査ですが、世界で一番ブログを更新しているのは日本人とのことでした。
 →世界で最も多いのは日本語ブログ――Technorati調査
この時期がmixiのピークで、それ以降にTwitterが普及し、Facebookが日本に参入し、mixiはシェアを落としています。
mixiニュースは日記との親和性も高く、ニュースを読んでそのコメントをフレンドに期待する流れをうまく実現できていたと思います(今はその機能はFacebookやTwitterに移行してしまいましたが)。

日記について原点に立ち返ると、記録でありログです。
Facebookに日記を書いてもフィードで常に流れていってしまいますし、Twitterは文字数の制限があります。
ユーザーのつながりの無いアメブロ等に移行するのは、つながりが重要なSNSではありえない手段と思えます。
実質的に「友人と共有出来る、記録としての日記」の地位を築いているのはmixiくらいしか無いように思います。
となると日記を中心として立て直すべきではないでしょうか。

mixiの新たな価値の可能性

mixiはこんな価値を新たに定義し、提供してみてはいかがでしょうか。
・日々の経験や思いを記録することが重要で、誇りであることの再定義
・それを友人間で共有することで嬉しくなるプラットフォームを構築する

具体的な機能に近づくものとしてはこんな感じ
・過去日記の比較・参照が容易になって、それが価値を生み出すようにする
・友人同士の日記を並べて読むことが出来るようにする

私が、こんなのあったらおもしろいなーと思う日記

最近10年日記というものを見かけたのでそういうイメージをしています。
10年日記というのは10年分の日記帳が一冊になったもので、大体はちょっと豪華めな装丁で5,000円くらいします。
1ページごとに1月1日、1月2日となっていて、1月1日のページは上から今年の欄、来年の欄、再来年の欄、となっています。
毎年同じ日に何をしたかが一目瞭然で確認できるようになっています。
例えばこれを同じ月日ではなく、練習している楽器の発表会ごと、行ったライブごと、子供の成長ステージごとに表示出来たら、自分の経験と都度の思いから成長を体感出来そうです。

※成長を体感させることがmixiの価値・目的かというとちょっと微妙なのですが、まぁイメージとしてご理解ください。


またあるイベントに際して友人同士が得た感情を共有出来る場にすることも良さそうです。
これは現在もリンクを貼ることで実現出来ていると思いますが、例えば「Aさんが2012年夏コミケに関する日記を書きました。あなたも一緒に日記を書いて欲しいと思っています」とお知らせする機能を設けてみる。
そして、その日記からはAさんの日記へのリンクが貼られて、同じテーマの記事として閲覧出来る

正直なところ上記2点ともどういう価値を生み出せそうかちょっとわからないのですが、次の世代のソーシャル日記として評価出来そうな気がします。

いろいろ厳しいことも書きましたがmixiさんは国産SNSの雄ですので、今後の発展を本当に祈っています。

それでは。

2012年10月10日水曜日

成果の中身

先日の記事で成果とは何か次に書く、と書いておいてそのまま書き忘れていました。
失礼いたしました。

P(成果)は、営業職・販売職の場合は売上高という数値で評価出来るので非常にわかりやすいですね。
ですが、それ以外の場合はものすごく難しい指標になります。

ブルーカラーの場合

ブルーカラーの場合は労働時間が生産量に直結し、それが成果とみなせます。
これはシンプルで、すごく望ましい形ですね。

Aさんは今日8時間働いて、100個の部品を製造しました。
→Aさんの今日の成果は部品100個


ホワイトカラーの場合

ホワイトカラーの場合は労働時間によって成果物が決まるわけではありません。
何時間会議をしても、何枚企画書を書いても、それが価値に結びつかない限りは成果が出ていないと見做されます。
逆にほんの30分の会議で合意形成し契約締結出来たり、1枚の企画書で高品質のサービスを立ち上げられたりすることもあります。

→ホワイトカラーの場合は労働時間に関わらず成果を生み出せる
 いくら働いても成果が出ない場合もある


ではこのホワイトカラーの場合、何を基準に成果を決めるべきでしょうか。
どんな成果物が完成した時に「成果を出した」と判断して良いのでしょうか。
個人的にそれは市場価値とすべきです。

そしてホワイトカラーにも段階があります。
経営者に近ければ近いほど権力を持っているので評価は市場価値に近づけられます。
 ex.)売上高、営業利益、純利益、顧客満足度等

逆に現場に近い場合は扱いが難しくなります。
そもそもホワイトカラーなのかブルーカラーなのか判定するのが難しいです。
例えばプログラマーの成果はコード量でしょうか、それとも価値でしょうか。

プログラミングを製造業とみなす場合は、サービス設計をする人はホワイトカラーと考え、コーディングする人はブルーカラーと考えます。
この場合、コーディングする人によって違いが生まれないレベルの精緻な設計が必要になります。
・・・あまり現実的では無いですね。

プログラミングをホワイトカラー集団とみなす場合は、サービス設計をする人はサービスの市場価値で評価を受け、コーディングする人も彼がコーディングした部分の市場価値によって評価を受けます。
Webサービス全体の市場価値というのは売上高によって評価出来そうですが、その中のログイン画面の市場価値がどのくらい、というのは評価出来ないように感じます。
となると、市場価値とは異なる指標を設ける必要がありそうです。


行うべきこと

経営者は自社製品・サービスの市場価値を定量的に分解し、評価出来る形にする必要があります。
つまり、ある製造業の経営者であれば、製品サービスの売上高(市場価値)を上げるために、製品の価値、購入後サポートの価値、購入前サポートの価値を定義し、それぞれを分解していく。
製品の価値は製品そのものの価値であったり、より活用するためのソーシャル施策であったりに分解し、ソーシャル施策の中ではユーザー投稿数やシェア・Retweet数を評価指標にする。
ユーザー投稿数を増やすためにソーシャルメディアキャンペーンを企画実行する。
売上高=市場価値に近づくにつれて経営者、マネージャーの仕事であり、細かくなるにつれて担当者の仕事と評価基準になっていく。

これらをやらないとネガティブな場合は従業員が「仕事をしているのに評価されない気がする」と感じてしまったり、市場から評価されない方向に付加価値を高めてしまったりする。

「私がどう行動するか知りたければ私をどう評価するか教えてください」という言葉があります。
P(成果)を多く上げて欲しければ、まず何を成果として認めたいのかを明らかにして共有しておきましょう。

それでは。

2012年10月8日月曜日

理念の作成

先日は社内の定例ミーティングでした。

定例ミーティングではそれぞれが抱える課題を持ち寄って整理、解決することを中心にしています。
定例ミーティング以外の時間は個人ワークなのでプログラミングしていたり企画書を書いていたりと基本的には自由です。

定例ミーティングは理念を作成しました。
以前につくっていた行動規範と合わせて、新しく入る人に要求したい項目は整理出来ました。

理念

理念は会社の存在意義を定義し、その次に会社の構成要素である人・もの・金の3つの観点で目標を作成しました。
(文言は調整していないのでお恥ずかしい内容ですが)

会社の存在意義

・従業員・役員が社会に貢献するための場所を提供する

パフォーマンスと人格について2項目
・社会に貢献出来る人材を育成する
・誠実さをもった人材を育成する

もの

目的・機能と製品の印象・ブランドについて2項目
・やりたいと思ったことを実現出来るよう障壁を取り除く製品・サービスを開発する
・楽しく、エキサイティングな製品・サービスを開発する

利益を上げることを定義し、ただし儲かれば良いというわけじゃないよとも書く
・常に高い利益を上げ、社会に還元する
・儲かることが第一義の目的ではなく、お金は理念を実現する手段である



原則として、事業に携わることがそのまま社会貢献になる事業を行うので、このくらいのシンプルなものが良いように感じています。

このタイミングで理念を作成しようと考えたのは、人を増やす際に人格・パフォーマンス・コスト(給与)が問題になってくると思いますが、どのように判断して人を増やすのが望ましいかを今のうちに定義すべきと考えたからです。
今回作成した理念と以前に作成した行動規範の中で、人格とパフォーマンスに関することは定義出来たので、これで人を増やす際の課題がコストだけになりました。
目的さえ合致すれば、コストのみを問題として採用出来るのはすごく気が楽になりますね。

それでは。

2012年10月7日日曜日

オシャレな機械という価値

ユニクロとビックカメラの複合店舗ビックロが話題ですね。
ビックロユニクロ新宿東口店
ビックロの検索トレンド

簡単に言えば、ビックカメラで販売している製品とユニクロの服をセットで演出して展示・販売する業態です。
こんな感じです。→ 外部ブログ


実はスマートフォンに対して似たようなことを感じていました。
昨年の2月にリリースされたNECのスマートフォンMEDIAS N04-C。
極めて薄いモデルなのが話題になりました。
公式サイト

機会があって数ヶ月使ってみたのですが、正直なところこれは売り込みに失敗していると感じました。
公式サイトを見ていただくとわかるのですが、MEDIAS N04-Cは薄さ、ガラケー機能、使いやすさ(MEDIAS NAVI)を売りにしています。
しかし、薄さもガラケー機能も使いやすさも仕様であり、価値ではありません。

顧客がそれを使ってどう感じるかが価値です。
顧客は機能や仕様を欲しいのではなく、それを活用した際の価値で満足を得たいのです。
価値を訴求せずに機能・仕様を訴求しても、顧客は「それで?僕はそれを買ったら満足出来るの?」となってしまいます。

なぜこのようなダメな訴求をしてしまうのか

顧客が欲しいのは価値ですがメーカーが開発出来るのは機能・性能・仕様です。
仕様を突き詰めてそれを開発することに注力してしまうというのが原因の一つと思います。

また、こういった罠に陥りやすい人はエンジニアだと考えられます。
なぜなら、その機械に詳しい人ほど機能を欲しがるためです。

1.板を壁に取り付けたい。
2.壁に取り付けるには8mmの穴を開ける必要がある
3.8mmの穴を空けられる機械が欲しい

こういった思考が出来る人が、詳しい人だからです。

逆に、その機械に疎い人ほど価値を欲しがります。
1.板を壁に取り付けたい
2.壁に取り付けるためドリルや接着剤が欲しい
  →ドリル、接着剤は「固定する」という同じ価値を持ちます

前者の人にはMEDIASの薄さ(機能)を数値で訴求することで価値を理解してもらえそうです。
後者の人には薄さの価値を訴求する必要がありそうです。
(例で言うなら、接着剤よりもドリルで8mmの穴を開ける方が優れている理由を訴求する)

私が感じた価値と訴求方法

私が感じたMEDIASの薄さの価値は「スーツの形が崩れない」です。
スーツを着ているとどうしても携帯電話は胸ポケットに入れることになります。
パンツのポケットに携帯電話を入れると、どうしても歩く時に邪魔に感じてしまいますし、シルエットも美しくないためです。
しかし、胸ポケットに入れてもシルエットは崩れます。

MEDIASの薄さならパンツのポケットにも入れても、胸ポケットに入れてもシルエットが崩れません。
これはものすごいメリットだと思いました。

確かにMEDIASは、動作はあまりよくありませんでした。
(NEC初のスマートフォンだったのでご苦労があったのかもしれません)
そういう点でも機能よりもライフスタイルを重視するような方に薄さをファッション性を通してアピールした方が良かったのではないかと感じます。

例えばH&Mとコラボしてファッションショー風に記者会見を行い「流行に敏感な若者はオシャレで便利なMEDIASを使います。」を訴求し「厚い携帯電話(折りたたみ型フィーチャーフォンやiPhoneをイメージ)はがオタクが使うもの」と位置づけてしまう。
こんな訴求が出来ればもっと良いポジションがとれたのではないでしょうか。



きっとNECの中では技術に詳しいエンジニアが権力を持っているのではないでしょうか。
(事実はどうか知りませんので推測です)
やはり技術に詳しい人でなく、市場への訴求に詳しい人が最終的なマーケティングの権力を持つべきと思います。

それでは。

2012年10月6日土曜日

マクドナルド原田社長の改革

10月4日(木)に東京青年会議所主催でマクドナルド原田社長の講演があり、お話を聞きに行くことが出来ました。

マクドナルドの原田社長のことは以前に日経ビジネスオンラインで連載していたRoad to CEOで知って、以降尊敬する経営者の一人とさせていただいておりました。

では、以下講演の内容。
(抜け・漏れや私の理解不足がありますので「原田社長がこう言った」と解釈されないようお願いいたします)

原田社長が行なってきた改革

2004年~
 QSC(Quality, Service, Cleaness):飲食店の基本
 メイド・フォー・ユー:マクドナルドの店舗でハンバーガーをつくる仕組み。注文を受けてから作り始めるので美味しい状態でお客様に渡すことが出来る

2005年~
 \100マック:マックから離れてしまった人に戻ってきてもらう
 新メニュー投入:サラダやコーヒー。今までマックに来なかった層に来てもらう
 価格改定(値上げ):価値が高まったので値段を上げる

2006年~
 24時間営業:いつでも来られる店舗にする

2007年~
 メガマック・マックグリドルの投入:マックらしい商品の投入
 地域別改革:地域別の値付けにする。都心より地方の方が安い

2008年~
 eマーケティング:携帯クーポン等
 販売店改革:フランチャイズを推進


順番が大事

原田社長はこの順番が大事だと仰っていました。
飲食店にとって一番大事なこと(QSC)=マクドナルドにとっての強みを優先して行う。
その先にマックらしい商品(メガマック、マックグリドル)を投入する
もしQSCより先にメガマックやマックグリドルを販売したとしても売れなかった

コーヒーの位置づけ

コーヒーで儲けようとは思っていない。
飲食店の総来店者数は「全人口に対する利用者率」と「平均来店頻度」の積で求めることが出来る。
(売上高は「総来店者数」と「平均売上高」の積で求められる)
コーヒーを売ることで今までマックに来なかった人々に訴求出来「全人口に対する利用者数」を高めることが出来る。
儲けられるのは彼らがビッグマック等を購入することが期待されるから。

価格戦略

8年で6回値上げをしたが、値段が上がったとはあまり思われていない
まず価値を上げてから価格を上げているのがその要因。

店舗改革

マクドナルドが2010年度に433店舗を閉店した件について。
マクドナルドが約12%相当の433店舗を戦略的閉店、特損120億 @不景気.com
業績好調の時にこそ閉店させる。
理由はさらに業績を伸ばすため。
閉店の基準は理念や目標に合わせて決める。

理念で閉店させた例:マクドナルドのコンセプト"Kids & Family"に反しているという理由で新宿歌舞伎町の店舗を閉店させた。利益は出ていたが、ブランド価値を毀損していると判断した。

理念で閉店させた例:店舗(調理場)が狭く今後フルメニューで提供出来ない店舗を閉店させた

目標で閉店させた例:フロントで注文を受け付ける店舗は効率が悪い。モールやフードコート、インストアの店舗を閉店させ、大型ドライブスルーの店舗を増やした。

※理念や目標に反している店でも、売上高が高ければ業績不調の時には価値がある。

フランチャイズ改革

目標は経営効率と投資の最大化。
フランチャイザー(日本マクドナルド)はブランド構築、商品開発を行い、フランチャイジーは店舗開発を行うのがフランチャイズビジネスとして望ましい姿。

・2004年時点で3割だったフランチャイズを、2012年現在で7割まで引き上げた。
・オーナーの人数も366人から200人まで絞った。
結果、フランチャイジーが大型化し、店舗開発を出来る体力がついた。

人事制度改革

原則はESを上げると売上が上がるという関連性。
ESを上げる→離職率が下がる→CSが上がる→売上が上がる

行った施策
・女性を活用する
・トレーニング環境の整備:DSでのトレーニングも出来る
・ブランドを感じる従業員バックヤード:従業員にもブランドを感じてもらう
・情報共有
・クルーコンテスト:スキルを磨いたことが正しく評価される

後継者育成

・5の能力を持った人に6の仕事を与える
 5の能力を持った人に10の仕事を与えるのはマネジメントの失敗
・自分の後継者を常に育てさせる
 3年間同じ仕事をしているのはおかしい
 (同じポストでも仕事は変わる)

リーダーの素養

本を読むのでなく、自分のビジネスに熱心になれる人がリーダーになれるのではないか
熱心になれば、考えぬいて自分の答えを出せるため。

マクドナルドの商品開発

お客様の意見に迎合すると他社と横並びになる。
お客様の意見では確かにヘルシー等のキーワードが上位に出てくるが、マクドナルドが提供しても売れない。
※アメリカでヘルシー製品を提供したことがあるが売れなかった実績がある。
食のバランスは1つのレストランに期待するものではないので、お客様はマクドナルドにヘルシーを求めていないものと考えられる。

原田語録

・強さをより伸ばす
・スピード重視。決定する前に実行せよ
・マネジメントはサイエンスとサイコロジー
・世界のルールで戦う
・後継者育成はマネジメントの使命
・出来ない理由はチャンス
・創造は常識の否定から始まる
 知識と経験は創造を阻害する
・ブランドを毀損するものは排除する
・リサーチで戦略を立てるな
 (成果の確認としてリサーチをしろ)
・売った数字か売れた数字か
・ひらめきは考えぬいた結果
・日本の文化を知り、世界の文化を知る


私の所感

当たり前のことを当たり前に実行したという印象です。
日本マクドナルドほどの大企業で当たり前のことを当たり前に行うことがいかに難しいか、大企業に所属していた私にはよくわかります。
難しく考えすぎる人たちが複雑な意見を言ってくる中、トップはシンプルにQSCを実行させたという点が本当に素晴らしいです。

また、原田社長は従業員こそ大事にすべきという考え方を持っているように感じました。
全く同感です。
トップは戦略を立ててコントロールすることは出来ますが、実際にブランド価値を高める行動を行うのは従業員ですから、一番ブランドを感じてもらわなければならないのは従業員です。

マーケティング(ヘルシー)に関しては極めて難しい点ですね。
サラダは儲からないと言っても、もしかしたらブランド価値において大事な位置づけにあるかもしれません。
どういった位置づけにあるのかリサーチをとってしっかり理解しておきたいですね。

それにしても日本マクドナルドという大企業をもってして、これだけ基本に立ち返った戦略をとっていることはすごく参考になりました。
私たちも同じように基本を忠実に行い、ブランドを既存するものは排除せねば。

それでは。

2012年10月5日金曜日

PとPC

組織について書く、と言っておきながら楽天のことを書いてしまいました
改めて組織のことを。

相変わらず参考にしているのは7つの習慣です。

PとPC

7つの習慣ではPとPCという考え方が出てきます。
PはPerformanceのことで成果のことを指します。
PCはPerformance Capabilityのことで、成果を達成するための能力を指します。

Pを重視して仕事をするということは、ある仕事を最も効率的に解決出来る人が行うことです。
逆に、その仕事を他の人でも出来るように組織全体のパフォーマンスを高めるようにすることがPCを重視するということです。
PCを重視する場合は、最も効率的に解決出来る人が対応するわけではないので、必然的にパフォーマンスは下がります(仮に成果は同じでもより生産性は落ちる)。

違う例で言えば、ある仕事を依頼したのに達成できそうに無い人からその仕事を取り上げて出来る人に振り直すのがPを重視するということ。
達成出来そうに無い人のために納期を延ばす等の対策を取り、ちゃんと教育して達成する経験と積ませることがPCを重視するということです。

今その仕事を手作業で終わらせることもPを重視すると言えます。
次同じ仕事が来る時のために自動化出来るよう業務プロセスを調整しておくことはPCを重視していると言えます。

難しいのはある仕事単体で考えればPを重視すべきですが、将来を考えればPCを重視すべきという点。

PとPCのどちらを重視すべきか

どちらを重視するのが望ましいか、と考えても意味がありません。
どちらも等しく大事ですが、どちらを選択すべきかは状況によって異なるためです。

個人的な印象ですが、世の中にはPを重視する人が多いような気がしています。
営業職であれば、お客様との今後の関係性よりも今お客様に買っていただけるかどうかを重視する。
プログラマであれば、技術者の成長よりも今そのコードをいかに効率良く低コストで(短時間)で書くかを重視する。
私も一緒に会社を起こす友人もPCを重視しがちなので、むしろPにいかに注力するかが大事になりそうです。

では成果とは一体何なのでしょうか。

長くなりそうなのでこのへんで。
それでは。

2012年10月4日木曜日

補稿:ECプラットフォームについて

ふと思い出したのですが、ECプラットフォームについては先日父親と話をしていました。

父はある生鮮品の通販事業を考えており、その際に自社でECサイトを構築すべきか、楽天のようなプラットフォームを活用すべきか議論をしました。

結論から申し上げると、父はECプラットフォームを使わない方が良い、という結論になりました。

理由は3点
・トップページからの検索により他社と絶え間なく比較を受けるため、同種の商品との価格競争に巻き込まれる可能性が高い
・売上高のうち数%~十数%をECプラットフォーム事業者に支払う必要があるので、利益を生み出しにくい
・差別化出来る商材のため、同種の商材に埋もれてしまわないように独自のブランドを構築する必要がある

ECプラットフォームを使わないことの懸念は2点
・直接顧客をサイトに誘導する必要があり、広告等の販促施策を行う必要がある
・システムの開発にコストがかかる


私は初期は楽天等を活用し安価でスタートさせ、ある規模まで大きくなったところで自社サイトを構築すべきと言ったのですが事業責任者である父の意向を尊重しました。
私が言ったところで、息子ではありますがあくまで部外者の意見ですから。



議論の際に、実際の事業をイメージして話が出来たので、ECプラットフォームをどのように活用すべきか、誰が活用でき、誰は使わない方が良いのかを理解することが出来ました。
父に感謝。


ECプラットフォームも我々の事業からすれば一つの要素に過ぎません。
Webでのやりとりだけが事業の全てではなく、リアルでのやりとり・つながりこそ価値の大半を占めるものだったりもします。
うまいこと活用していきたいものですね。

それでは。

2012年10月3日水曜日

強みと弱み。ECを事例に(2/2)。

さて、昨日の続きです。

事業のモデルには垂直統合型モデルと水平分業型モデルがあります。

垂直統合型モデルで有名なECだとApple Storeがあります。
Web上に自分たちの店を構え、自分たちの倉庫を持ち、在庫管理をし、顧客管理をし、決裁を行い自分たちの商品を販売します。
Amazonも自社商品は無いですが、商品の仕入れ以降はほぼ全てを自社内で完結して行なっています。

楽天は逆で水平分業型モデルです。
楽天のECプラットフォームの上にパートナーの店舗を置き、パートナーが商品選定を行い、顧客管理は楽天が行い、決裁も楽天が行います。
※楽天は倉庫や物流などを自社で持ち、パートナーに提供しています。


それではある商店から見た時に、垂直統合で通販を行うのでなく、水平分業型である楽天(パートナー)を利用するメリットとは何でしょうか?

基本はこの3つでしょう。
・自社だけでは実現出来ない機能・信頼性を用意出来る
・自社で用意するよりもコストが安く済む
・既にあるものを利用するのでスピード感のある事業展開が可能になる

逆にデメリットになりうるものはこのあたり。
・自分たちの判断で機能・サービスを拡張出来ない
・コストが高くつく可能性がある
・パートナーの都合に振り回される可能性がある
 (サービス内容の変更、サービス中止)

デメリットが足を引っ張らず、メリットを活用することで他社と差別化出来る場合はECプラットフォーム事業者を利用すべきと考えます。


それでは昨日挙げたそれぞれのサービス領域について考えてみます。
□販売管理システム
 販売管理機能に差別化要素は見いだせず、楽天を利用する価値は高い。
 ※特殊な商材であれば差別化可能性はある。例えばPCのBTOのように複数のパーツを選択することで費用が変わるようなものの場合など。

□顧客管理システム
 ユーザー管理は個人情報管理とほぼ同義。
 ログイン情報を他サービスとの連携し付加価値を高めることが出来るが、高度なセキュリティ対策が必要となる。
 小規模出店社の場合はシステムを自社で用意するのはコスト面で折り合わないと推定される。
 大規模出店社は自社で構築も可能と考えられる。

□ページ制作
 ページ自体はHTMLの知識があれば制作出来るので(CSSやJavaScriptはちょっと除いておきます)、知識のある出店社なら対応可能。
 ブランドが必要な場合など、販売ページにもこだわりを持つ必要がある場合は自社で制作するのが望ましい。
 大半のケースでは楽天のページ制作機能で十分でありメリットを見いだせる。

□決済機能
 お金が絡む機能なので高い信頼性が極めて重要で、楽天を利用するのが望ましい。
 新しい支払い方法への対応など、楽天が勝手に対応してくれたりもする点は素晴らしい。

□ポイント付加機能
 ポイントは再来店を促すものだが、商材が限られる小規模出店社では自社に頻繁に再来店させるのは困難ということもあり、楽天を利用する価値は高い。
 商材にもよるが大規模出店社は自社で構築することも出来る。

□販促支援機能
 大規模データ分析が必要になるケースもあり、小規模出店社が単独で実現するのはデータ数の観点でもデータ分析技術の観点でも現実的ではない。
 楽天を利用することにメリットがあるとい考えられる。
 大規模出店社の場合はきめ細やかな分析を行うことのニーズが強く、自社で行うことのメリットは大きい。

□商品開発
 一番に強みを発揮する部分であり、自社で行うべき。

□在庫管理
 基本的には自社で行うことのメリットは無く、外部に任せることが望ましい。
 ※木材など、一枚の板から切り出して出荷するような商材の場合は、出店社自らが在庫管理する必要がある。
 ※複数の店舗を持つが倉庫は一つ、というような場合などは出店社自らが在庫管理する必要がある。

□物流
 自社のみの小ロットで宅配業者と価格交渉するよりも、ECプラットフォーム全体で価格交渉を行った方が価格低減しやすい。
 配送におけるトラブル発生時も楽天やAmazonが大口業者として交渉を行なってくれることのメリットは大きい。

2012年10月2日火曜日

強みと弱み。ECを事例に(1/2)。

ここ数年、何か事業を起こす際に課題になるのは「どこからどこまでを自社が行い、どこからどこまでを他社に支援してもらうのか」という点です。
こういった領域はアライアンスやパートナーシップと呼ばれます。

教科書に載っているような理想的なことを言えば
「自社の強みが発揮でき、投資が最小になるようにパートナーシップを構築しろ」
ということになるのですが、こんなこと現実的に理解出来ませんよね。

というわけで具体的なケースで考えてみましょう。

最近EC界隈で話題のこちらのニュース

楽天の〝出店料見直し〟に波紋、全店舗の送料課金に反発の声

楽天が出店料の対象範囲を見直す、と言っていますね。
「今とこれから」の話だけをしても仕方がないので、ちょっと昔話をしてみます。

1:ECスタート時期
ECが始まった頃はネット販売のモール(商店街)は、場を提供し、顧客管理機能と販売システム(Webサービス)、ページ制作機能のみを提供していました。
出店社は商品を用意し、消費者と連絡をとり、納期を調整し、付き合いのある宅配業者を呼んで配送を行なっていました。
つまりモデルはこう。




2:EC拡大期
モールが差別化のために様々なオンラインサービスを追加していきます。
販売システムに加えてポイント付加機能、決済機能、販促支援機能(顧客分析、DM送付機能、レコメンド機能)等を追加していきます。
モデルはこんな感じ。


3:EC普及期
オンラインサービスだけでは差別化できなくなり、オフラインサービスも導入していきます。
倉庫(在庫)管理サービス、物流(配送)サービスなど。
モデルはこう。



見てわかる通りですが、ECプラットフォーム事業者(楽天等)の領域が拡大しています。
逆に出店社の領域は狭くなっています。
強みを発揮出来る領域が少なくなっている、ということです。

長くなったのでここまで。
続きはまた明日。

それでは。

2012年10月1日月曜日

良い組織をつくる

友人と2人で会社を起こそうとしているのですが、現在は良い組織をつくるために議論を重ねています。

テーマにしている本は7つの習慣。

この考え方に沿って組織をつくろうとしています。
・各個人が主体性を発揮する
・各個人(またチームとして)が目的を持ってものごとを始める
・重要事項を優先するよう意識づける、また優先するための手法・知恵をチームで共有する

読み進めつつ整理しているのですが、まだ第三の習慣までしかやっていないので、今のところはここまで。

この7つの習慣という本は初めて読んでいるのですがとても良い本だと思いました。
ただし読み込む難易度が非常に高いと感じます。
ただ読むだけなら具体的なユースケースも書いてあり、すごく読みやすいのですが「いざ自分の身の回りにある環境に置き換えてみる」と途端にこの本の考え方を適用できなくなってしまいます。
自分の中に固執する考えがあり、それが行動を始めることを阻害していると意識させられます。

そういった一人ひとりが持つ固執から人々を引き離し、組織として最良の行動を一人ひとりが取れるようにすることが重要だと感じます。
自分を(または自分の立場を)守るために発言するのでなく、会社のために発言出来ること。
そしてその人を適切に評価出来ること。
こういう組織をつくりたいし、こういう人を育てたいとおもいます。

ちょっと抽象的になりすぎてしまいましたね。
次はもう少し具体的に書きます。

それでは。

2012年9月30日日曜日

コミュニケーションプラットフォーム:LINE

最近の高校生・大学生の間で大ブレイク中のモバイルサービスLINE。
最近会った大学生もみんな使っていましたし「スマホ買ったんだけど、とりあえずLINEっていうのは入れたよ」という声も聞きました。
もし知らない方はぜひ今すぐ使ってみてください。

主な機能はIMと通話なのでSkypeに類するサービスと言えます。
市場シェアや認知度、という点ではLOOOPSさんの記事によると既にキャズムを超えた、と言われています。
Facebookの次はLINE、とまで言われていますが通販をスタートさせたとのこと。

月刊ネット販売:【EC動向】NHNJapan、「LINE」で通販の限定セール開始

今までの収益の柱はIMに使える有料スタンプ。
これはソーシャルメディア上でも話題になっていたのでご存知の方はいるかもしれません。
ちなみに売上高は導入2ヶ月で3.5億円らしいです。

通販(のプラットフォーム)に参入することで既に導入済の仮想通貨:LINEコインの普及が図れそうです。
IMのテキストマイニングなんかもやってそうですし、レコメンドも強力に行えるような気がします。

既に「一部の人が使うサービス」の領域は超えている(10代~25歳くらいまでの間ではみんなが使うサービスと呼んでも良いと思います)ので、こういうコミュニケーションプラットフォームになりうるアプリを利用して、自分たちのサービスを配布出来るようにしたいものです。

それでは。


※以下、蛇足
ちなみに私はLINEを使っていません。
二回ほどインストールして二回ともアンインストールしました。
理由はマルチデバイス対応していないから。
私はiOSとAndroid(およびPC)の両方で同じ機能を使いたいので、両方からアクセス出来ないサービスは使いたくないのです。
※現状はGmail, Googleカレンダー, evernote, Dropbox等のマルチOS・マルチデバイスに対応しているサービスを利用しています。

なぜマルチデバイス対応していないのに二回目のインストールに挑戦したのかと言うと、この記事に騙されたからです(笑)
NHN Japanの言うところのマルチデバイス対応、とは「モバイル機器1つと自宅のPC」という意味らしいです。

2012年9月29日土曜日

このブログについて

大手メーカー勤務の法人向け営業が一念発起してWebサービスの会社を立ち上げます。
新規事業モデル・サービスをいかに考え、強みを発揮していくか、事業・会社を立ち上げるプロセスを書いていきます。

書く予定のことはこんな内容を予定しています。
・既存市場の分析
・狙いたいポジションとアプローチプラン
・アプローチプランのために必要な人材・組織をどのように用意するか
・Webサービス・モバイルの技術動向
・雑誌、Web記事の紹介とコメント
・出席した勉強会やセミナーのレポート

こういうことをつらつらと書き連ねて行こうと思います。
それでは。