ふと思い出したのですが、ECプラットフォームについては先日父親と話をしていました。
父はある生鮮品の通販事業を考えており、その際に自社でECサイトを構築すべきか、楽天のようなプラットフォームを活用すべきか議論をしました。
結論から申し上げると、父はECプラットフォームを使わない方が良い、という結論になりました。
理由は3点
・トップページからの検索により他社と絶え間なく比較を受けるため、同種の商品との価格競争に巻き込まれる可能性が高い
・売上高のうち数%~十数%をECプラットフォーム事業者に支払う必要があるので、利益を生み出しにくい
・差別化出来る商材のため、同種の商材に埋もれてしまわないように独自のブランドを構築する必要がある
ECプラットフォームを使わないことの懸念は2点
・直接顧客をサイトに誘導する必要があり、広告等の販促施策を行う必要がある
・システムの開発にコストがかかる
私は初期は楽天等を活用し安価でスタートさせ、ある規模まで大きくなったところで自社サイトを構築すべきと言ったのですが事業責任者である父の意向を尊重しました。
私が言ったところで、息子ではありますがあくまで部外者の意見ですから。
議論の際に、実際の事業をイメージして話が出来たので、ECプラットフォームをどのように活用すべきか、誰が活用でき、誰は使わない方が良いのかを理解することが出来ました。
父に感謝。
ECプラットフォームも我々の事業からすれば一つの要素に過ぎません。
Webでのやりとりだけが事業の全てではなく、リアルでのやりとり・つながりこそ価値の大半を占めるものだったりもします。
うまいこと活用していきたいものですね。
それでは。
大手メーカー勤務の法人向け営業が起業してWebサービスの会社を立ち上げます。 新規事業モデル・サービスをいかに考え、強みを発揮していくか、事業・会社を立ち上げるプロセスを書いていきます。
2012年10月4日木曜日
2012年10月3日水曜日
強みと弱み。ECを事例に(2/2)。
さて、昨日の続きです。
事業のモデルには垂直統合型モデルと水平分業型モデルがあります。
垂直統合型モデルで有名なECだとApple Storeがあります。
Web上に自分たちの店を構え、自分たちの倉庫を持ち、在庫管理をし、顧客管理をし、決裁を行い自分たちの商品を販売します。
Amazonも自社商品は無いですが、商品の仕入れ以降はほぼ全てを自社内で完結して行なっています。
楽天は逆で水平分業型モデルです。
楽天のECプラットフォームの上にパートナーの店舗を置き、パートナーが商品選定を行い、顧客管理は楽天が行い、決裁も楽天が行います。
※楽天は倉庫や物流などを自社で持ち、パートナーに提供しています。
それではある商店から見た時に、垂直統合で通販を行うのでなく、水平分業型である楽天(パートナー)を利用するメリットとは何でしょうか?
基本はこの3つでしょう。
・自社だけでは実現出来ない機能・信頼性を用意出来る
・自社で用意するよりもコストが安く済む
・既にあるものを利用するのでスピード感のある事業展開が可能になる
逆にデメリットになりうるものはこのあたり。
・自分たちの判断で機能・サービスを拡張出来ない
・コストが高くつく可能性がある
・パートナーの都合に振り回される可能性がある
(サービス内容の変更、サービス中止)
デメリットが足を引っ張らず、メリットを活用することで他社と差別化出来る場合はECプラットフォーム事業者を利用すべきと考えます。
それでは昨日挙げたそれぞれのサービス領域について考えてみます。
□販売管理システム
販売管理機能に差別化要素は見いだせず、楽天を利用する価値は高い。
※特殊な商材であれば差別化可能性はある。例えばPCのBTOのように複数のパーツを選択することで費用が変わるようなものの場合など。
□顧客管理システム
ユーザー管理は個人情報管理とほぼ同義。
ログイン情報を他サービスとの連携し付加価値を高めることが出来るが、高度なセキュリティ対策が必要となる。
小規模出店社の場合はシステムを自社で用意するのはコスト面で折り合わないと推定される。
大規模出店社は自社で構築も可能と考えられる。
□ページ制作
ページ自体はHTMLの知識があれば制作出来るので(CSSやJavaScriptはちょっと除いておきます)、知識のある出店社なら対応可能。
ブランドが必要な場合など、販売ページにもこだわりを持つ必要がある場合は自社で制作するのが望ましい。
大半のケースでは楽天のページ制作機能で十分でありメリットを見いだせる。
□決済機能
お金が絡む機能なので高い信頼性が極めて重要で、楽天を利用するのが望ましい。
新しい支払い方法への対応など、楽天が勝手に対応してくれたりもする点は素晴らしい。
□ポイント付加機能
ポイントは再来店を促すものだが、商材が限られる小規模出店社では自社に頻繁に再来店させるのは困難ということもあり、楽天を利用する価値は高い。
商材にもよるが大規模出店社は自社で構築することも出来る。
□販促支援機能
大規模データ分析が必要になるケースもあり、小規模出店社が単独で実現するのはデータ数の観点でもデータ分析技術の観点でも現実的ではない。
楽天を利用することにメリットがあるとい考えられる。
大規模出店社の場合はきめ細やかな分析を行うことのニーズが強く、自社で行うことのメリットは大きい。
□商品開発
一番に強みを発揮する部分であり、自社で行うべき。
□在庫管理
基本的には自社で行うことのメリットは無く、外部に任せることが望ましい。
※木材など、一枚の板から切り出して出荷するような商材の場合は、出店社自らが在庫管理する必要がある。
※複数の店舗を持つが倉庫は一つ、というような場合などは出店社自らが在庫管理する必要がある。
□物流
自社のみの小ロットで宅配業者と価格交渉するよりも、ECプラットフォーム全体で価格交渉を行った方が価格低減しやすい。
配送におけるトラブル発生時も楽天やAmazonが大口業者として交渉を行なってくれることのメリットは大きい。
事業のモデルには垂直統合型モデルと水平分業型モデルがあります。
垂直統合型モデルで有名なECだとApple Storeがあります。
Web上に自分たちの店を構え、自分たちの倉庫を持ち、在庫管理をし、顧客管理をし、決裁を行い自分たちの商品を販売します。
Amazonも自社商品は無いですが、商品の仕入れ以降はほぼ全てを自社内で完結して行なっています。
楽天は逆で水平分業型モデルです。
楽天のECプラットフォームの上にパートナーの店舗を置き、パートナーが商品選定を行い、顧客管理は楽天が行い、決裁も楽天が行います。
※楽天は倉庫や物流などを自社で持ち、パートナーに提供しています。
それではある商店から見た時に、垂直統合で通販を行うのでなく、水平分業型である楽天(パートナー)を利用するメリットとは何でしょうか?
基本はこの3つでしょう。
・自社だけでは実現出来ない機能・信頼性を用意出来る
・自社で用意するよりもコストが安く済む
・既にあるものを利用するのでスピード感のある事業展開が可能になる
逆にデメリットになりうるものはこのあたり。
・自分たちの判断で機能・サービスを拡張出来ない
・コストが高くつく可能性がある
・パートナーの都合に振り回される可能性がある
(サービス内容の変更、サービス中止)
デメリットが足を引っ張らず、メリットを活用することで他社と差別化出来る場合はECプラットフォーム事業者を利用すべきと考えます。
それでは昨日挙げたそれぞれのサービス領域について考えてみます。
□販売管理システム
販売管理機能に差別化要素は見いだせず、楽天を利用する価値は高い。
※特殊な商材であれば差別化可能性はある。例えばPCのBTOのように複数のパーツを選択することで費用が変わるようなものの場合など。
□顧客管理システム
ユーザー管理は個人情報管理とほぼ同義。
ログイン情報を他サービスとの連携し付加価値を高めることが出来るが、高度なセキュリティ対策が必要となる。
小規模出店社の場合はシステムを自社で用意するのはコスト面で折り合わないと推定される。
大規模出店社は自社で構築も可能と考えられる。
□ページ制作
ページ自体はHTMLの知識があれば制作出来るので(CSSやJavaScriptはちょっと除いておきます)、知識のある出店社なら対応可能。
ブランドが必要な場合など、販売ページにもこだわりを持つ必要がある場合は自社で制作するのが望ましい。
大半のケースでは楽天のページ制作機能で十分でありメリットを見いだせる。
□決済機能
お金が絡む機能なので高い信頼性が極めて重要で、楽天を利用するのが望ましい。
新しい支払い方法への対応など、楽天が勝手に対応してくれたりもする点は素晴らしい。
□ポイント付加機能
ポイントは再来店を促すものだが、商材が限られる小規模出店社では自社に頻繁に再来店させるのは困難ということもあり、楽天を利用する価値は高い。
商材にもよるが大規模出店社は自社で構築することも出来る。
□販促支援機能
大規模データ分析が必要になるケースもあり、小規模出店社が単独で実現するのはデータ数の観点でもデータ分析技術の観点でも現実的ではない。
楽天を利用することにメリットがあるとい考えられる。
大規模出店社の場合はきめ細やかな分析を行うことのニーズが強く、自社で行うことのメリットは大きい。
□商品開発
一番に強みを発揮する部分であり、自社で行うべき。
□在庫管理
基本的には自社で行うことのメリットは無く、外部に任せることが望ましい。
※木材など、一枚の板から切り出して出荷するような商材の場合は、出店社自らが在庫管理する必要がある。
※複数の店舗を持つが倉庫は一つ、というような場合などは出店社自らが在庫管理する必要がある。
□物流
自社のみの小ロットで宅配業者と価格交渉するよりも、ECプラットフォーム全体で価格交渉を行った方が価格低減しやすい。
配送におけるトラブル発生時も楽天やAmazonが大口業者として交渉を行なってくれることのメリットは大きい。
2012年10月2日火曜日
強みと弱み。ECを事例に(1/2)。
ここ数年、何か事業を起こす際に課題になるのは「どこからどこまでを自社が行い、どこからどこまでを他社に支援してもらうのか」という点です。
こういった領域はアライアンスやパートナーシップと呼ばれます。
教科書に載っているような理想的なことを言えば
「自社の強みが発揮でき、投資が最小になるようにパートナーシップを構築しろ」
ということになるのですが、こんなこと現実的に理解出来ませんよね。
というわけで具体的なケースで考えてみましょう。
最近EC界隈で話題のこちらのニュース
楽天の〝出店料見直し〟に波紋、全店舗の送料課金に反発の声
楽天が出店料の対象範囲を見直す、と言っていますね。
「今とこれから」の話だけをしても仕方がないので、ちょっと昔話をしてみます。
1:ECスタート時期
ECが始まった頃はネット販売のモール(商店街)は、場を提供し、顧客管理機能と販売システム(Webサービス)、ページ制作機能のみを提供していました。
出店社は商品を用意し、消費者と連絡をとり、納期を調整し、付き合いのある宅配業者を呼んで配送を行なっていました。
つまりモデルはこう。
2:EC拡大期
モールが差別化のために様々なオンラインサービスを追加していきます。
販売システムに加えてポイント付加機能、決済機能、販促支援機能(顧客分析、DM送付機能、レコメンド機能)等を追加していきます。
モデルはこんな感じ。
3:EC普及期
オンラインサービスだけでは差別化できなくなり、オフラインサービスも導入していきます。
倉庫(在庫)管理サービス、物流(配送)サービスなど。
モデルはこう。
見てわかる通りですが、ECプラットフォーム事業者(楽天等)の領域が拡大しています。
逆に出店社の領域は狭くなっています。
強みを発揮出来る領域が少なくなっている、ということです。
長くなったのでここまで。
続きはまた明日。
それでは。
こういった領域はアライアンスやパートナーシップと呼ばれます。
教科書に載っているような理想的なことを言えば
「自社の強みが発揮でき、投資が最小になるようにパートナーシップを構築しろ」
ということになるのですが、こんなこと現実的に理解出来ませんよね。
というわけで具体的なケースで考えてみましょう。
最近EC界隈で話題のこちらのニュース
楽天の〝出店料見直し〟に波紋、全店舗の送料課金に反発の声
楽天が出店料の対象範囲を見直す、と言っていますね。
「今とこれから」の話だけをしても仕方がないので、ちょっと昔話をしてみます。
1:ECスタート時期
ECが始まった頃はネット販売のモール(商店街)は、場を提供し、顧客管理機能と販売システム(Webサービス)、ページ制作機能のみを提供していました。
出店社は商品を用意し、消費者と連絡をとり、納期を調整し、付き合いのある宅配業者を呼んで配送を行なっていました。
つまりモデルはこう。
2:EC拡大期
モールが差別化のために様々なオンラインサービスを追加していきます。
販売システムに加えてポイント付加機能、決済機能、販促支援機能(顧客分析、DM送付機能、レコメンド機能)等を追加していきます。
モデルはこんな感じ。
3:EC普及期
オンラインサービスだけでは差別化できなくなり、オフラインサービスも導入していきます。
倉庫(在庫)管理サービス、物流(配送)サービスなど。
モデルはこう。
見てわかる通りですが、ECプラットフォーム事業者(楽天等)の領域が拡大しています。
逆に出店社の領域は狭くなっています。
強みを発揮出来る領域が少なくなっている、ということです。
長くなったのでここまで。
続きはまた明日。
それでは。
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