2012年10月6日土曜日

マクドナルド原田社長の改革

10月4日(木)に東京青年会議所主催でマクドナルド原田社長の講演があり、お話を聞きに行くことが出来ました。

マクドナルドの原田社長のことは以前に日経ビジネスオンラインで連載していたRoad to CEOで知って、以降尊敬する経営者の一人とさせていただいておりました。

では、以下講演の内容。
(抜け・漏れや私の理解不足がありますので「原田社長がこう言った」と解釈されないようお願いいたします)

原田社長が行なってきた改革

2004年~
 QSC(Quality, Service, Cleaness):飲食店の基本
 メイド・フォー・ユー:マクドナルドの店舗でハンバーガーをつくる仕組み。注文を受けてから作り始めるので美味しい状態でお客様に渡すことが出来る

2005年~
 \100マック:マックから離れてしまった人に戻ってきてもらう
 新メニュー投入:サラダやコーヒー。今までマックに来なかった層に来てもらう
 価格改定(値上げ):価値が高まったので値段を上げる

2006年~
 24時間営業:いつでも来られる店舗にする

2007年~
 メガマック・マックグリドルの投入:マックらしい商品の投入
 地域別改革:地域別の値付けにする。都心より地方の方が安い

2008年~
 eマーケティング:携帯クーポン等
 販売店改革:フランチャイズを推進


順番が大事

原田社長はこの順番が大事だと仰っていました。
飲食店にとって一番大事なこと(QSC)=マクドナルドにとっての強みを優先して行う。
その先にマックらしい商品(メガマック、マックグリドル)を投入する
もしQSCより先にメガマックやマックグリドルを販売したとしても売れなかった

コーヒーの位置づけ

コーヒーで儲けようとは思っていない。
飲食店の総来店者数は「全人口に対する利用者率」と「平均来店頻度」の積で求めることが出来る。
(売上高は「総来店者数」と「平均売上高」の積で求められる)
コーヒーを売ることで今までマックに来なかった人々に訴求出来「全人口に対する利用者数」を高めることが出来る。
儲けられるのは彼らがビッグマック等を購入することが期待されるから。

価格戦略

8年で6回値上げをしたが、値段が上がったとはあまり思われていない
まず価値を上げてから価格を上げているのがその要因。

店舗改革

マクドナルドが2010年度に433店舗を閉店した件について。
マクドナルドが約12%相当の433店舗を戦略的閉店、特損120億 @不景気.com
業績好調の時にこそ閉店させる。
理由はさらに業績を伸ばすため。
閉店の基準は理念や目標に合わせて決める。

理念で閉店させた例:マクドナルドのコンセプト"Kids & Family"に反しているという理由で新宿歌舞伎町の店舗を閉店させた。利益は出ていたが、ブランド価値を毀損していると判断した。

理念で閉店させた例:店舗(調理場)が狭く今後フルメニューで提供出来ない店舗を閉店させた

目標で閉店させた例:フロントで注文を受け付ける店舗は効率が悪い。モールやフードコート、インストアの店舗を閉店させ、大型ドライブスルーの店舗を増やした。

※理念や目標に反している店でも、売上高が高ければ業績不調の時には価値がある。

フランチャイズ改革

目標は経営効率と投資の最大化。
フランチャイザー(日本マクドナルド)はブランド構築、商品開発を行い、フランチャイジーは店舗開発を行うのがフランチャイズビジネスとして望ましい姿。

・2004年時点で3割だったフランチャイズを、2012年現在で7割まで引き上げた。
・オーナーの人数も366人から200人まで絞った。
結果、フランチャイジーが大型化し、店舗開発を出来る体力がついた。

人事制度改革

原則はESを上げると売上が上がるという関連性。
ESを上げる→離職率が下がる→CSが上がる→売上が上がる

行った施策
・女性を活用する
・トレーニング環境の整備:DSでのトレーニングも出来る
・ブランドを感じる従業員バックヤード:従業員にもブランドを感じてもらう
・情報共有
・クルーコンテスト:スキルを磨いたことが正しく評価される

後継者育成

・5の能力を持った人に6の仕事を与える
 5の能力を持った人に10の仕事を与えるのはマネジメントの失敗
・自分の後継者を常に育てさせる
 3年間同じ仕事をしているのはおかしい
 (同じポストでも仕事は変わる)

リーダーの素養

本を読むのでなく、自分のビジネスに熱心になれる人がリーダーになれるのではないか
熱心になれば、考えぬいて自分の答えを出せるため。

マクドナルドの商品開発

お客様の意見に迎合すると他社と横並びになる。
お客様の意見では確かにヘルシー等のキーワードが上位に出てくるが、マクドナルドが提供しても売れない。
※アメリカでヘルシー製品を提供したことがあるが売れなかった実績がある。
食のバランスは1つのレストランに期待するものではないので、お客様はマクドナルドにヘルシーを求めていないものと考えられる。

原田語録

・強さをより伸ばす
・スピード重視。決定する前に実行せよ
・マネジメントはサイエンスとサイコロジー
・世界のルールで戦う
・後継者育成はマネジメントの使命
・出来ない理由はチャンス
・創造は常識の否定から始まる
 知識と経験は創造を阻害する
・ブランドを毀損するものは排除する
・リサーチで戦略を立てるな
 (成果の確認としてリサーチをしろ)
・売った数字か売れた数字か
・ひらめきは考えぬいた結果
・日本の文化を知り、世界の文化を知る


私の所感

当たり前のことを当たり前に実行したという印象です。
日本マクドナルドほどの大企業で当たり前のことを当たり前に行うことがいかに難しいか、大企業に所属していた私にはよくわかります。
難しく考えすぎる人たちが複雑な意見を言ってくる中、トップはシンプルにQSCを実行させたという点が本当に素晴らしいです。

また、原田社長は従業員こそ大事にすべきという考え方を持っているように感じました。
全く同感です。
トップは戦略を立ててコントロールすることは出来ますが、実際にブランド価値を高める行動を行うのは従業員ですから、一番ブランドを感じてもらわなければならないのは従業員です。

マーケティング(ヘルシー)に関しては極めて難しい点ですね。
サラダは儲からないと言っても、もしかしたらブランド価値において大事な位置づけにあるかもしれません。
どういった位置づけにあるのかリサーチをとってしっかり理解しておきたいですね。

それにしても日本マクドナルドという大企業をもってして、これだけ基本に立ち返った戦略をとっていることはすごく参考になりました。
私たちも同じように基本を忠実に行い、ブランドを既存するものは排除せねば。

それでは。

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